造チェンジ! サイボーグと化した先輩!

タピオカ

 

 ……うぅ~ん。

 

 ファッ!? ここはどこだ。

 

 俺は見慣れない場所にいて、心停止しそうなほど、心の底から驚いた。心臓に悪いですよ!

 

 いた、というには少しだけ語弊があった。

 

 寝そべらされて、ご丁寧にゴム! バンドで寝台に固定されている。動こうとしてもビクッともしませんねぇ。

 

 多分拉致られたのだろう。記憶を遡ってみると、帰宅中に後ろから何か変な薬品を嗅がされたような……。

 

 辺りは薄暗くて、何があるのかわからない。

 

 しかし、大きな枕元では気味の悪い機械が青白い光を発しながら絶賛稼働中、……アーナキソ。

 

 さてここまで、今俺が置かれている状況を整理したのだが、最も注視しなければいけないことがあった。

 

 全裸だった。下着も何も身に付けてはいない原始人スタイルだった。通りで肌寒いと思ったよ。あのさぁ……拉致するにしてもさぁ、もっとこう……マイルド? なやつあんじゃん。いや、拉致にマイルドもクソもないですけど。

 

 足元から光が漏れて、俺は目を細めた。

 

 

 

「おまたせ。やぁ、調子はいかがかな? ……先輩?」

 

 

 

 そう言って白衣の男は、俺が縛られている横に座った。

 

 

 

「こ↑こ↓はどこだ!(棒)」

 

 

 

「まぁまぁ、取り敢えず落ち着いて。てか、この部屋暑いなぁ、暑くない? 喉乾いてない? アイスティーしかないんだけどいいかな?」

 

 

 

「リプトンじゃなきゃダメです」

 

 

 

「もちろんリプトンだよ?」

 

 

 

「あっ、はい(小声)」

 

 

 

 この男……分かってる。リプトンいいぞ~、流行らせコラ!

 

 そして、アイスティーを口に流しこまれた。

 

 溺れる! 溺れる!

 

 

 

「あなた誰ですか?」

 

 

 

「僕は神だ」

 

 

 

「ファッ!?(二回目)え、じゃあなんで俺は神様に拘束されてるんですか?」

 

 

 

「それは君をサイボーグに改造するためでねぇ、フッフッフッ、実はもう手術してしまったんだ!!

 

 

 

「ファッ!(三回目)何したんですか! やめてくださいよっ!(迫真)」

 

 

 

「そうそう、その不自然な括弧だよ。それは『感情補足説明コピー機』といってね、君が語録を使う度に発動してしまうんだ。その名の通り感情を補足するための説明を、額から投影するんだよ」

 

 

 

 う、うそだろ! お兄さんヤメチクリー!!

 

 

 

「何でこんなことしたんですか?(恐怖)」

 

 

 

「君を消したいからさ」

 

 

 

 は? ナニ、イってんだこいつ……。今流行りのナチュラルサイコパスかぁ? この人頭おかしい、と心の中で呟いた。

 

 

 

「君が生きて、そして現実世界に現れるとなると、ネットの世界は荒れてしまうんだ。分かる? 君は君自身が思っているよりも大きな存在なんだ」

 

 

 

 言ってる意味がよく分からん。だって、俺は例のアレのタグがつく、しがない一俳優でしかないのだ。しっかり理由を説明して、どうぞ。

 

 

 

「おおん?(思考開始)おおん……(諦め)。あの、俺に拒否権はないんですか?」

 

 

 

「うん。そうだね。君に人権は存在しない。じゃけん、改造うけましょうね~」

 

 

 

 自称神は

 

 

 

「君はこれから……そうだなぁ、人間じゃなくインターセクシュアルサイボーグとして生きてもらおうかな。名前はぁぁぁ!! 君のアイデンティティーであるカレー製造……その行為で使う果実からとってリンゴ……いや、『イチヂク』にしよう!」

 

 

 

 止まらない。このマッドサイエンティストゴッドは止まらない。まるで勝ち取りたくてしょうがないあの団長のように。行きすぎィ!

 

 

 

「そうだ! せっかくサイボーグにするんだから唾液は君の代名詞である睡眠薬にするね!」

 

 

 

 ぬわぁぁぁぁぁぁぁんっ! もうやめてぇぇぇぇんっ! 一般市民にこんな仕打ちをするなんて、神様は悔い改めて。

 

 

 

「じゃあ、二回目の手術をはじめるね」

 

 

 

 自称神様の目がキラリと鋭く光った。まさにウサギを狙うライオン、つまり野獣の眼光だ。

 

 俺は逃げ出したい本能に駆られたが、がっちり下半身を固定されているので、今さら抵抗しても無意味だと悟った。ああ”、逃れられない!(カルマ)だからもう俺は、

 

 

 

「いいよ、来いよ(イケボ)」